植田正治を巡る旅
10/5、6で一泊2日の写真遠足に行ってきました。
この旅のタイトルは表題の通り、
「写真家 植田正治先生を巡る旅」
植田正治写真美術館、
生涯撮影した自然のホリゾント・鳥取砂丘、
最後は植田正治先生の三男、植田亨さんのアテンドで
境港植田正治先生の自宅と植田カメラへ。
2日間、植田正治先生の写真を追体験したような旅でした。
今日のブログは、実り多き鳥取旅の様子を
写真盛りだくさんでレポートします。
下タイトル写真は旅のしおりの表紙ですが、
ここ島根でした、今気づきました…。
写真教室のバス旅行企画の段階から、
鳥取に行くなら、絶対に植田正治先生の三男である
植田亨さんに会いに行こうと決めていました。
今回、植田亨さんのご厚意で
この夢みたいな旅行を実現することができました。
(出会い編はこちら)
書き始めですが、長文になりそうな気配がプンプン笑
お付き合いください。
下写真は植田亨さんと生徒の清水さん、
まるで映画監督と女優のようなお気に入りの1枚。
植田正治とは
植田正治(うえだしょうじ)1913年-2000年
日本を代表いする写真家。
鳥取県境港市を拠点に70年近く活動。
中でも鳥取砂丘で撮影された「砂丘シリーズ」は有名。
前提的な写真は、フランスをはじめ海外でも知られる。
__Wikipediaより抜粋
day1
鳥取砂丘→植田正治写真美術館
大阪組7:30、神戸組8:30に集合、鳥取砂丘を目指します。
まっピンクのバスは、まるで往年のラブワゴンのよう。
昨年に引き続き表記を「青春写真クラブ」
と間違えられるも、面白いのでそのままに。
今回の旅は移動時間も長いのでバス車内での
ビンゴ大会や、植田正治ウルトラクイズなど
ちょっとした遊びも取り入れてみました。
「寝かせてほしい」という声にならぬ声を
聴き漏らさぬよう、空気を読みながら。
生徒さんはみな優しく、楽しくゲームに
参加してくださいました!
ただ田村が車内マイクで喋りたがるので、
途中、生徒さんからクレームが入るという一幕も。
SAで買い食いも楽しいひととき。
「これ飲みたい人〜?」はOさんの専売特許。
あ、せっかくなので、
植田正治クイズをみなさんにも
チャレンジしていただきたい。
何問正解できるかな?
答えはこのブログの最後に(笑)
では、レッツシンキン!!
おっと。
あれこれ遊んでる間に、鳥取砂丘に到着です。
「ラクダいる!」「砂漠や!」「リフトあるで!」
おじさん’Sを先頭に、テンション高めです。
自由行動中、一人でじっくり撮る派の人、
みんなでわいわい撮影派の人、
それぞれの過ごし方。楽しみ方。
団体旅行だけど団体じゃないみたいな。
生徒さんは、たくさん写真撮ってました。
そして現在、生徒さんのSNSは砂で溢れてます!
ご了承くださいませ。
お気づきの方、いらっしゃいましたか?
そう、今回の旅初日はドレスコードがありまして。
みなさん洋服が白か黒なのです。
その理由は鳥取砂丘で、
植田正治的集合写真が撮りたかったから。
生徒さんからのリクエストです。
人物配置をゆっくりできなかったので、
重なりとかカメラの高さとか気持ち悪いですが
そこはご愛嬌、みなさんとカメラで遊べて楽しい。
秋晴れの鳥取砂丘、水色と白のコントラスト。
2時間弱の自由時間はあっという間にすぎ、
梨エキス少なめのソフトクリームを慌てて食べて、
バスは出発、大山の麓にある植田正治写真美術館へ。
写真展ではゆっくり植田正治の作品を堪能。
生徒さんから、多くの面白い感想をもらいました。
植田正治写真美術館は、
建築家・高松伸の設計の素晴らしい建築、
背景には大山を臨む美しいロケーション。
カメラオブスキュラを体感できたり、
かわいいフォトスポットもあったり、
写真に関心がなくても楽しめますよ!
ホテル大山しろがね宿泊
17:00ギリギリまで植田正治写真美術館を堪能後、
バスで15分、ホテル大山しろがねへチェックイン。
道中、コンビニで買い込んだお酒やつまみも一緒にね。
スキー場の側にある、昔ながらの
ホテル?旅館?です。
宿泊する部屋は2段ベッドで合宿感出てます。
いいね、学生気分だ。
食後は宴会部屋にて、出張スナックピンぼけ。
みなで写真を語らう。
修学旅行気分で夜の時間を思い思い楽しみました。
先生(田村とくが先生)部屋では、
生徒2名と和歌山の写真家1名が感極まって泣く、という
ハプニングもありましたが青春ナイトでした。
写真で繋がる仲間、大人になっても
こういう友達ができるんだな、としみじみ。
また、このホテルは新しいとは言えないけど、
大山付近で35名の団体が宿泊できる施設が確保しにくい中、
快く迎えてくださいました。
この旅で唯一できなかった大山での星空撮影会。
申し訳ない、と何度も謝っていただきました。
旅から帰ると、ホテルの方から一通のメール。
よければ酒のつまみに大山の秋の景色をご覧ください、
と美しい大山の写真が添付されてました。
とても温かい気持ちになりました。
ありがとうございました。
day2
境港→植田正治生家→弓ヶ浜
昨夜の疲れもどこへやら、2日目も元気なみなさん。
「おはようございます」
朝食をとって、8:30にホテルを出発!
いよいよこの旅の最終目的地、境港へ。
土砂降りの雨の中バスに乗り込む。
走り出して10分。
バス前方に虹、あっという間に晴れ間が広がる。
「きっと今日も良い日になる」
ぼくの気分は朝から最高潮。
斜め後方に座っていたKさんにうざがらみ。
ちょっと嫌がられる。
そうこうしているうちに、境港へ到着。
バスを降りて少し歩くと鬼太郎ロード。
境港駅から鬼太郎ロードをまっすぐ突っ切って、
左に折れると植田正治先生のご自宅があります。
亨さんが、出迎えてくれました。
「ようこそいらっしゃい、早速お上がりください」
今日の主役は植田正治先生の三男、亨さん。
2日目は、ずっと亨さんがアテンドしてくださいました。
普段ここは一般公開されている場所ではなく、
亨さんが管理をされています。
リビングに着くと、
亨さんが植田正治愛用カメラをテーブルに
ずらっと並べてくれていました。
ハッセルにライカ、ペンタックスや富士フィルム。
植田先生の愛用機にうっとり。
みな身を乗り出すように、亨さんのお話に聞き入ってました。
リビングに飾られた植田正治の肖像写真、
珍しいドローイング作品、前には亨さん。
右を見ても正面を見ても、気になる被写体ばかり。
生徒さんの脳内を覗いてみたかった。
その後、植田先生の遺影とお仏壇のある和室に移動して、
いよいよ植田正治オリジナルプリントを見せていただく。
「ぼくのわたしのお母さん」「小狐登場」など名作の数々。
すべて植田正治が自身でプリントした
美術館クラスの作品です。
一枚一枚植田正治の作品を解説していただき、
写真の見方や、様々なトリックその秘密も。
写真家として、父しての植田正治。
その両面を知る亨さん。
写真と共にいろんな裏話やエピソードを教えてくれた。
「この写真を撮られた時、ぼくたちはみな小さかったから、
写真を撮られるより、お父さんと遊びたかったんだよ」
「砂に足跡をつけると怒られるんだよ、
ここはホリゾントなんだからって。」
「正月は撮影の仕事がないから、いつも機嫌が悪くってね。
文句を言いながら、暗室にこもってた」
亨さんの話は、人間・植田正治が垣間見えて面白い。
植田正治という昭和の偉人が撮った写真ではなく、
もっと生々しい感覚というか、
私たちが写真を撮る感覚と近いものに感じられた。
亨さんと一緒に、自宅の前で記念写真。
この後は境港周辺での自由行動!の予定でしたが
亨さんから嬉しいご提案。
「植田カメラも見てく?」
迷わずにみな「行きたいです!!」
植田カメラは、自宅からほど近い場所にある
植田正治先生が開業したカメラ店。
現在は閉店しましたが、
亨さんが当時社長を務めておられました。
ここには数百?のフィルムカメラが今も飾られています。
ダンボールいっぱいのジャンクカメラを持ってきて、
「好きなの持っていっていいよ!」と亨さん。
記念に生徒さんがいただいてました。
カメラ、治して使えるようになるといいね。
昼食は亨さんも一緒に。
かにトロランチをみんなで食べる。
そしてこの旅最後の場所、弓ヶ浜海岸へ。
ここは植田正治先生も何度も撮影で訪れていた場所。
ベストスポットを亨さんに教えていただきました。
ここに降り立った時、
感謝の気持ちでいっぱいになりました。
亨さんをはじめ、バスの運転手さんや
ホテルの従業員のみなさま。
この旅で出会ったすべての人の優しさに包まれた、
感動的な2日間でした。
植田正治を辿る、巡礼の旅はこれにておわり。
写真を撮ったり撮られたり。
写真の楽しさ、難しさ、美しさ。
写真を通して繋がってゆく、人や場所とのご縁。
私自身も、多くの気づきと覚悟を決められた旅でした。
かけがえのない夢のような時間を提供してくださった
植田亨さん、本当にありがとうございました。
生徒さんにとっても、生涯忘れない思い出となりました。
また、この旅を企画段階から手をあげてくれた生徒さん。
参加してくれて、全力で遊んでくれてありがとう!
今回参加できなかったみんな、次は一緒に行こうね!
おまけ、2つのサプライズ
亨さんから生徒さんへのサプライズその1。
亨さんが、クローゼットをごそごそ。
植田正治先生が着用してたジャケットやシャツを
生徒さんにプレゼントしはじめるという奇跡。
(たまたまそばにいた人はラッキーでした)
途中フリーマーケットのように!
Nくんがもらったブルーのジャケット超かっこいい。
植田正治先生が大好きなNくん、よかったね!
もうひとつのサプライズ天使は田村に降りてきた!
植田正治が作品にも取り入れたベス単というレンズ。
1912年にコダック社より発売された
「ベスト・ポケット・コダック」の
単玉レンズ、通称ベス単。
これをペンタックスレンズへ移植→ニコンマウントに
改造した植田先生愛用のベス単を、
なんとなんと1時間ほどお借りしました。
ソフトフォーカスに写るんですが、これが面白い。
何より、植田先生が作品にも取り入れた
レンズで、写真するよろこびを噛み締めて。
最後はそのレンズで撮影した写真でお別れです。
長い長いブログ、最後までお付き合いいただき
ありがとうございました。
来年も、楽しい旅の企画頑張ります。
それではまた来週!
(植田正治クイズ答えあわせ⬇︎)