The world is a fine place
and worth fighting for

003

衰え

 

日曜日、

いつものようにMEMORIで仕事をしていると

なんだか上空が騒がしい。

飛び交うヘリコプターの音。

ニュースを見ると三ノ宮駅で市バスの大きな事故。

 

お亡くなりになった方々、

ご家族の心情を思うと心が痛みます。

 

バスを運転していたのはベテランの運転手とのこと、

高齢者の自動車事故に関する議論がされていますが、

衰えは自分では気づきにくいし、受け入れがたいこと。

 

ぼくも40歳をすぎて体力が低下している実感があるし、

視力もすこし落ちてきたように思う。

 

個人的には

体の衰えよりもっと怖いのは

インスピレーションと判断力の衰え。

 

写真も経営も、

自分の信念を貫くことは大切ですが、

時代の流れを捉えるセンスも必要に思う。

 

身体中にアンテナを立てて、

全方向の情報をキャッチしているつもりだったけど、

時折、

センス、時代背景や価値観の変化、

そういった感覚が体をすり抜けることがある。

 

反射神経もまた

少しずつ衰え始めている。

 

写真家の荒木経惟さんが

「毎朝ベランダに出て、歯を磨くように目を磨く」

とおっしゃってました。

 

しんどいことだけど、

これからは自己評価よりも客観的評価が重要。

 

周りに自分をよく見てもらい、

仕事を評価していただく。

 

本当に自分の力が衰え、

自分の仕事が誰の役にも立たなくなったら

その時は潔く身を引こうと思うのです。

 

三ノ宮駅付近を歩くたび、

たくさんの花束を見るたびに

この健康で穏やかな時間が

当たり前でないことを思い知らされます。