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カメラオブスキュラ

 

ぼくのベーシックコースの授業は

「カメラの歴史」からはじまります。

 

カメラ(相棒)と仲良くなってほしいから、

その成り立ちから知ってもらおう!と。

 

カメラに親しみ、興味を持ってもらうことが

シンプルだけど写真上達の近道だと思うんです。

 

ということで、今日の「ちょこっと写真教室」は

カメラの名称の語源になった原始的な

装置、カメラオブスキュラのお話を。

 

カメラオブスキュラは、

ラテン語で「暗い部屋」を意味します。

 

ここから派生して写真を撮る装置のことを

「カメラ」というようになりました。

 

じゃあ、カメラオブスキュラってなーに?

昔のカメラオブスキュラは

ちょっとした部屋くらいの大きさでした。

壁にあけた小さな穴を通して反対側の壁に

外の景色が上下反対に映し出される。

 

紀元前3世紀からこの原理は知られていましたが、

15世紀ごろからヨーロッパの画家の間で

盛んに活用されるようになります。

 

画家たちはカメラオブスキュラの中に入り、

壁に投影された像を見て素描を描きました。

像の遠近感(パースペクティブ)が正確なので、

遠近法の確立に寄与したと言われています。

 

16世紀ごろになると小穴の代わりに

レンズを用いることでカメラオブスキュラは

より鮮明に、より小型化されていきます。

 

 

写実的で、光による巧みな質感表現を得意とする

オランダの画家フェルメールも

カメラオブスキュラを使っていたのでは?

という説も。(これについては諸説あり)

 

AQUOS美術館 かくて名画は生まれた

 

条件を満たせば、あなたの部屋でも再現可能です!

大きな窓、窓の対面に白い壁があれば、

黒い布で窓全体を覆い、小さな穴をあけるだけ。

 

以前、韓国の写真友達と写真合宿行なった時に、

みんなでカメラオブスキュラの実験をしました。

その時の写真がこちら↓(友人からお借りしました)

 

けっこうすごくないですか?

まるでカメラの内部に入ったみたいな感動体験でした。

 

カメラオブスキュラは像の定着はできません。

そのため、外の景色で車が移動したら、

ブーンと動くのだけど、それがまた面白い。

 

うちの部屋ではできないよ〜って方には、

厚紙や牛乳パックを使って小型のカメラオブスキュラ

がおすすめです(不器用な僕でも作れるよ)

 

制作費はたしか100円〜200円くらい。

 

外箱には小さな穴があいてます。

内側の箱にはトレペが仕込んであって

これを前後に動かすとピントがあい、

トレペに像が映し出されます。

 

⬇︎下の写真は、このカメラを使用して

FARMSTANDと花壇をiphoneで撮ったものです。

 

レンズを用いているわけではないので

画質はボヤッとしてて、

ちょっと見にくくてごめんなさい。

 

でも最近のカメラはよく写りすぎるから

逆にちゃんと写らないのがよかったりする(笑)

鳥取県の植田正治写真美術館にも

大きなカメラオブスキュラがあります。

 

ここでは超大型レンズが使われているので

鮮明に、美しい大山の景色が映し出されます。

 

植田正治写真美術館カメラオブスキュラ

 

MEMORIでは、子どもさん向けの

カメラオブスキュラWSを夏休みに開催予定です。

 

みなさんの手元にあるカメラには

人類の知恵と好奇心がいっぱい詰まってます。

どうぞ名前をつけて愛でてあげてください♡

 

カメラって本当にいいもんですね〜

 

ではまた来週お会いしましょう。